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ビジネスモバイル最前線(3)
ノートパソコンの代替としてWindows Mobile端末の導入進む
セキュリティとソリューションの整備が後押し
[2007/03/14]

W-ZERO3[es]
ビジネスパーソン向けに投入されたW-ZERO3[es]
 Windows Mobileの法人向け市場が本格的に立ち上がりはじめた。
 日本のWindows Mobile市場は、05年にWindows Mobileを搭載したウィルコムのPHSケータイ端末「W-ZERO3」の爆発的ヒットによって立ち上がったが、初期のユーザーは、ガジェット好きな若者たちが中心だった。しかし、その後の携帯電話キャリア各社の市場参入や、ビジネスパーソン向きの新機種の投入などによって、企業単位でWindows Mobileを導入する動きが始まっている。特に、セキュリティやコストの観点から、ノートパソコンの代替端末として大量導入する機運が高まっている。
こうした動きの背景として、音声定額料金制の導入や法人向けビジネスソリューションが出揃ってきたこと、企業側もモバイル環境の整備に本格的に取り組み始めていることがあげられる。
 4月には、Windows Mobileの法人向けソリューションが一堂に会した「WILLCOM FORUM & EXPO2007」も開催される。

セキュリティ保護を最優先にソリューション展開
 ウィルコムの「W-ZERO3」のヒットによって、ケータイとPCの中間領域にあるWindows Mobileの存在が広く認知されることになったが、初期ユーザーが、ガジェット好きな若者たちであったったことから、「企業の担当者はW-ZERO3は、ビジネスの情報ツールとして本当に使い物になるのか?とまだ半信半疑の状態だった」と同社の営業開発部企画マーケティンググループ久保卓也課長(写真)は当時の状況を振り返る。
 しかし、当初から企業担当者の関心自体は高く、「試験導入した企業は、数千社に及んだ」(久保卓也課長)。企業の情報システム担当者がWindows Mobile端末を採用するにあたって、最も重要視された検証ポイントは、セキュリティ対応だった。これに対してウィルコムは、ネットワークと端末の両面からこの課題に対処したという。
 たとえば、ネットワーク側では、IP-VPN網とADSL回線をワンストップで提供する「Direct Access/IP-VPN」、IP-VPNサービスを相互接続して閉域環境を実現する「モバイルアクセスサービス」。また、ネットワークへのログイン段階では「AIR-EDGEアクセスポイント認証サービス」やインターネットVPN環境を実現するIPsecクライアント [anthaVPN] により、通信経路における情報漏洩や外部からの不正侵入防止に対応した。
 クライアント側についても、マカフィーやシマンテックなど代表 的なウィルス対策ソフトへの対応やW-ZERO3へのログインをサイン認証で行う「Cyber-SIGN」などが提供された。さらに、デバイスの紛失や 盗難の際に、リモート管理で各種機能をロックしたり、メールやスケールなどのデータを削除、重要データや個人情報漏洩の被害を最小限に抑える 「Intellisync Device Management」やW-ZERO3をシンクライアント化し、端末にデータを残さないようにする「Citrix Presentation Server」など、リモート管理でのセキュリティソリューションを提供した。
 この他にも、W-ZERO3内のフラシュメモリおよび外部メディアのデータを暗号化するソリューションも提供され、デバイスの不正使用や不正アクセスの防止に高レベルで対応できる体制が整った。

Willcom 営業開発部企画マーケティンググループ 久保卓也課長
Willcom営業開発部企画 マーケティンググループ
久保卓也課長
 こうしたセキュリティソリューションの整備を進めたことによって、企業全体のセキュリティーポリシーに対しても統一的な対応がとれるようになり、現在では、ノートパソコン以上のハイレベルなセキュリティ環境を簡単に構築できる点が評価され、リプレイス商談が進んでいるケースも出てきているという。

 「W-ZERO3は、ケータイとパソコンの中間領域に位置する製品。ノートパソコンのリプレイス需要が多いことから、高いセキュリティレベルを実現することが求められた。現在では、ほぼ満足していただけるセキュリティ環境が提供できる」(久保卓也課長)と自信を示す。

主要グループウェアとの連携に加え、ExchangeServerのASPサービスも用意
 また、企業情報システムのクライアント端末として機能するためには、グループウェアとの連携や基幹データを活用するためのミドルウェアの開発も望まれた。
 現在では、Lotus Notes/DominoやExchange Serverで受信したメールをW-ZERO3に同期する「Intellisync Mobile Suite」や外部からLotus Notes/Dominoへのアクセスを可能にする「PhoneConnect」など、主要なグループウェアと連携できることとに加え、グループウェア未導入の企業に対しては、Exchange Serverをホスティングし、W-ZERO3からのリモートアクセスに対応したASPサービス「Access P-BERRY」といったソリューションも用意されている。
 さらに、基幹業務システムとリアルタイムにデータを同期できるミドルウェア「IBM Websphere Everyplace Access」や、ERPやSFA、CRMなど既存の業務アプリーションを拡張してW-ZERO3からアクセスするためのソリューションなども用意されている。
 こうしたソリューション開発には、30社を超えるパートナー企業が参加しており、現在も増え続けている。
「当初は、WindowsCE向けのアプリケーションを開発していたソフトウェア開発企業に、こちらから頼んで開発してもらっていたが、最近では、開発したソリューションが持ち込まれるケースが急増しており、当社でも対応ソリューションの数を正確に把握できないほど」(久保課長)という状態だ。Windows Mobile 端末の利用用途の拡大に応じて、W-ZERO3をeラーニングやマーケティング・ツールとして利用するためのソリューション、RFIDタグやFelicaのリーダー/ライターとして使うソリューションなど、さまざまな分野に広がりをみせているのだという。

急速に高まる大量導入機運
 こうしたソリューションの充実で、企業による大量導入の機運も盛り上がりはじめている。発売当初に数千社で試験導入されたものが、本格導入に切り替わり始めているのだ。
「セキュリティ環境の提供やビジネス向けのソリューションが整備されたことで、『Windows Mobileは安心して使える』という声が高まってきた。他のキャリアもWindows Mobile端末を、次々と市場投入してきたことも市場形成にとって追い風になっている」と久保課長は現状を説明する。
 Windows Mobile端末を導入する企業側の意図は、大きく3つにわけられるという。

(1) メールとスケジュールの情報をモバイル環境下で共有するノートパソコンの置き換え
(2) ホストシステムやグループウェアとの連携
(3) これまでPDAやハンディターミナルで行っていたバーコードなどによる受発注業務など特定業務の置き換え

 こうしたニーズに対応するソリューションの充実が、法人需要の掘り起こしにつながっているといえるだろう。
 4月には、Windows Mobileの法人向けソリューションを一堂に会したプライベートショー「WILLCOM FORUM & EXPO」が予定されており、同社では法人専門対応部署を新設するなど、さらに法人向け市場の開拓を強化していきたいとしている。


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