マシン・コミュニケーション・サービスにウィルコムの回線網を利用
CSCのように、独自の通信サービスを提供している通信事業者は、日本では数少ない。その理由は、通信事業者が回線網の開放に消極的なためだ。ウィルコムは、通信モジュール(W-SIM)をシム化して、外部事業者に提供するなど、自社の通信機能、通信網自体を外販する水平連携型のビジネスモデルを指向する数少ない通信キャリアである。「ウィルコムがPHSの回線網を開放してくれたことで、マシン・コミュニケーションに特化した事業構造の通信ベンチャーを起業することができた」とCSCの村田社長は語る。
CSCは、このトレイルキャッチだけでなく、他にもPHS回線網を活用した、さまざまなビジネス向けデータ通信サービス事業を構想している。ただし、共通するのは、いずれも、トレイルキャッチのように発信機とサーバーを繋ぐようなM to M(Machine-to-Machine)とよばれる、一般通信に比べてトラフィックが少ない事業領域でである。
「M to Mの領域は、トラフィックが少ないため、通信事業者としては、収益を上げにくい分野だが、ビジネスパートナやMVNOなどと事業連携することにより、トレイルキャッチのようなユニークなビジネスを生み出すことができる」(村田社長)と通信インフラが新たなビジネス創出の宝の山になる可能性を秘めていることを示唆する。
この他にも、老人介護や自動車の盗難防止などのセキュリティ分野、物流の安全とトレーサビリティの分野ではさらに多様な展開が考えられる他、LED表示機・広告サインボード分野への展望も持っている。CSCエンジンの設定でユーザ側からの遠隔メンテナンスが可能になるので、LED表示機・サインボード上のメッセージをパソコンから自由に更新することが可能になる。
「全てがシームレスに繋がるユビキタス社会では、生活の周辺に存在する機器をネットワークに接続して“人と機器との情報伝達”を実現することが不可欠」(村田社長)と、今後もM to M (Machine to Machine)の領域をさらに開拓していくと意気込んでいる。
同事業や関連する機器は、2007年4月に開催される「WILLCOM Forum & EXPO」でも紹介される予定だ。